鶴の湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
サウナはあとから増設したのだろう。脱衣場の一角を占めるような、一風変わった造りになっている。
そのせいか、サウナ室の窓から見えるのは新緑が美しい木々でも大海原でもない。番台だ。番台の女将だ。
「これはこれでよい眺めだな!」などと汗を流しつつ思ってると、あることに気がついた。音がない。
札幌にはレジデントDJを抱えた銭湯がいくつかある。東豊湯、望月湯、月見湯、私は未踏だが寿湯。
この鶴の湯もそんな銭湯の1つだと耳にしていたのだが、サウナ室は静まり返っていた。
悲しいが、静寂のサウナ室も悪くはない。そう自分に言い聞かせた。
その刹那、突然サウナ室に郷ひろみの歌声が響いた。ナイスDJ !と声を上げかけたが、曲の途中からだったのでDJとしては大ミスだ。
しかしその後、"こんなにそばに居るのに/ZARD "というナイスな選曲でミスを挽回。いいぞいいぞとつぶやきながら一旦サウナ室を出た。
水風呂と休憩を終え、2度目のサウナ室で私を迎えてくれたのは"Shake Hip!/米米クラブ"だった。早くもピークタイムである。そこから畳み掛けるように"Hey Mickey/Toni Basil"をドロップ。和モノオンリーと思わせておいて、なんと心憎い。
その後は"I Feel for You/Chaka Khan ""ANGEL/氷室京介"など、古今東西なんてクソ喰らえといわんばかりの選曲。オールジャンルDJの真髄を見せつけられた。ひとりのサウナ室、ニヤニヤした。
「番台の女将にニヤニヤ顔を見られたかも!」
慌ててガラス越しに確認した。番台の女将は手元を見つめ、何やら忙しそうにしている。なるほど、番台あらためDJブース、女将あらためDJ tsuruということか。あの手の動き、相当細かくツマミをいじっていたに違いない。ほぼ田中フミヤだった。小銭を数えていたなんてことだけは絶対にない。
泥酔でまとめてるので自分でもどうしてこうなったのかよくわかりません!
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