昆布/サカナとサウナ

2021.12.14

1回目の訪問

富山市電粟島駅の程近く、住宅地のど真ん中にテントサウナがある、と風の噂で聞いた。よくよく位置を見てみるとなんと立山鉱泉の敷地内。ガレージの一角を借りて営業しているらしい(話は逸れるが、立山鉱泉のサウナは個人的には穴場中の穴場だと思うし、あのサウナに対して好印象を持てるような仲間が増えることを切に願っている)。
その後訪問したのは、気温のグラフが直滑降のように滑り落ちていく12月の中旬頃。当日も呼吸をするたびに白い息が出るような寒い夜だった。立山鉱泉内の脱衣所にて水着に着替え、屋外のサウナへと突っかけで急ぐ。ガレージ内に入った途端、流れる空気が変わったのがわかった。天井から吊るされた暖色のタープライトが一面を照し、外気浴スペースの中央に置かれた薪ストーブから漂う音や香りが空間を包む。木材や布でうまくガレージらしさを消し去っており、まるで山の中の秘密基地に迷い込んだような気分になった。気温も低いので駆けるようにテントサウナに入ると、目に飛び込んできたのは2台のサウナストーブ。それぞれが激しく燃え、力強く室内を暖めていた。加えて、踏み台を使うほど高いベンチに座って温まることができるため、テントサウナ特有の底冷えがないのも嬉しい。アロマ水でのセルフロウリュを行うにつれ、ついに自分の限界を迎え、外に出た。絶えず井戸水が流れ込む樽型の水風呂へ飛び込む。とても柔らかい水だ。体を拭いて外気浴スペースへ。しっかりと椅子のリクライニングを倒し、ロープライトを朧げに見つめながら自身の体と向き合う。都会の喧騒や煩わしい噂話、テレビから流れるゴシップはこの場所には存在しない。サウナと水風呂、外気浴スペースがシンプルに、かつ「確かに」あった。
そんなルーティンを2時間の利用時間内に4回ほど繰り返した。その中で、汗をかきながら薪をくべているオーナーさんから「テントサウナを特別なものではなく、もっと皆の身近なものにしたい。」という熱い想いを聞く。富山市の住宅地からその想いを発信し続けるなんて少し不器用だけれど、パチパチと燃えるようなサウナへの愛を感じた。最後のルーティンが終わり、立山鉱泉内の風呂へと駆け込む。あつ湯が屋外でよく冷えた体にとことん染みてくる。言葉にならない声が漏れる。「ととのい」は風呂の中に、「確かに」あった。

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ご来店ありがとうございました✨ 昨日お話した時も思いましたが、 昆布さんのサ活は サウナセットの情景がリアルに浮び、 表現力に脱帽です😳 またお待ちしてます♨️
感じたことを素直に書かせていただきました!お体に気をつけてお仕事続けてください。共に富山サウナ盛り上げていきましょうー!
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