桜湯サウナ
温浴施設 - 静岡県 静岡市
温浴施設 - 静岡県 静岡市
1500円の価値とは
ふらっと入った街の定食屋。メニュー本日の定食1500円のみ。値段に尻込みしてそのまま立ち去るか、それとも好奇心に任せて注文するか。試した者だけが価値を理解する桜湯サウナ。
銭湯「桜湯」の脇の階段をカンカンと上がった2F。昭和45年からこの佇まいなので、自分より年寄りの文字通りの昭和公衆浴場。靴箱と同じ番号の武骨なロッカーの上を見上げると、常連の物と思しき風呂道具が並ぶ。
浴室に入って頭に浮かんだのは、軍艦島の廃墟写真にあった公衆浴場の風景。あれが現役な雰囲気。丸型蛍光灯4つに照らされた浴室内に、水色に塗られた白湯と水風呂の2つだけのコンクリート浴槽。温度計などない。
風呂から入ると温度の二層感。かき混ぜると40度切るぐらいの体感に。雨空で冷えた体が緩やかに暖められてほわほわしてくる。開け放たれた窓から涼やかな風が頭を吹き抜け、何時までも入っていたくなる感覚に包まれる。
#水風呂
体感19度ぐらい。浴槽を対角線に使うと丁度、体を伸ばして浮かせる事が出来る広さ。井戸水が蛇口から掛け流しで水風呂とお湯が隣接してるので、体を沈めると水がお湯側にも豪快にオーバーフロー。お湯が二層構造に感じた犯人はこれか。膝を抱え込んで座って水風呂に浸かると、赤子に戻った様な気持ち。体を浮かべると、やわらかい開放感。どう浸かっても気持ち良い。
#サウナ
焼けた木の壁から来る香ばしい香りに包まれたサ室に、年季の入ったmetosの樽型ストーン式ストーブ。大き目の石が詰め込まれて如何にもロウリュしたくなる誘惑に駆られるけど、禁止なのでそこは我慢。
変わりにお湯が入った小さいバケツがストーブ内にあって、それが湿度をきちんと提供してくれる。室内にテレビの音が大き目に響いてるけど、耳をすませばバケツのお湯がグツグツと沸騰する音が聴こえる。3-4分で玉汗ビッチリになる位に良い汗をかける、高温多湿の環境。温度は90度台から100度台を行き来。
#休憩スペース
浴槽の奥の段差の窓際にスノコが敷いてあり、そこに座ると擬似外気浴が出来る。窓の外を見ると商店街が。向こうから見上げると、きっと丸見え。構う物か。
スノコに座ってお湯に足を下ろすと足湯休憩も出来る。吹き抜ける風と、水風呂後の体に体温が戻る感じと、足元から脹脛までピリピリ温まる感覚との温度の三層構造。これが一番気に入った。
温冷交互浴もしたけど、これがまた体が溶ける。サウナで蓄えた体温を使い果たすように、水とお湯を繰り返して今に至る。
休憩所でシートに座りながら一服出来るのも、昭和からの歴史の賜物。どうぞ、末永く。
男
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