2019.09.22 登録
[ 東京都 ]
帰る場所。
北欧には何度も来ている。
晴れた休日も、仕事の終わりにも、女を抱いた後も、女にフラれた夜も。
2010年に訪れたコペンハーゲンは雨上がりの澄んだ空気。
オスロは朝霧。
ベルゲンは小雨。
ストックホルムは晴天。
ヘルシンキは港の夕焼け。
カモメの群れとシナモンの香り。
2019年は上野北欧。
北欧人の知らない北欧。
サウナは灼熱。
アロマはオレンジピール。
水風呂はバルト海。
バイキングの仲間を連れて整い椅子で同じ夢を見る。
上野は2つの顔を持つ
芸術とアメ横。
フェルメールと林家三平。
対極の文化は上野の街で交差する。
北欧と北欧。
北欧に北欧の要素は無い。
北欧カレーは母の味。
北欧は母。
サウナの母。
上野北欧はサウナーの母。
産まれたからには整わないと。
今日も屋上には風が吹く。
いつか異国の港で薫った あの風だ。
[ 東京都 ]
鶯谷で降りる人ってどんな人なんだろう
山手線に乗るたびに僕はずっとそう考えてきた
ラブホと熟女の風俗。そんなイメージしかない街の、老舗のサウナ
21時のアウフグースには間に合いそうにない
早足は辞めてゆっくりと向かう
サウナセンター
いい佇まいだ
看板の字体がいい。この字体なだけで「わかっている」ことがわかる
靴を預け受付
意外とキレイなお姉さん
北陸のマドンナっぽい人。素敵
ロッカーはやや年期を感じる
けど、好きよ。この年期
エレベーターを上がり風呂の前にまずトイレ
臭い。
トイレくさいよ。これはよくない。
清潔にはしてるけど多分配管なんだろうなぁ。
気を取り直して浴室へ。
サウナは絶賛アウフグース中。
が、客が逃げるように出てくる。
OHどうした。
ITでも出たか。サウナに。見たら最後か。
どうやら地獄のアウフグースだったようでイベント後にサウナに居残る猛者はおらず無人の蒸し風呂にIN。
熱い。
しかしここは下町。
このぐらいのストロングスタイルは想像の範囲内。
2段目で息をひそめる。
徐々に戻ってくる熱波被害者の会。
そしてサ室が半分埋まったころ、奴は現れた
見た目はどうみてもベテランサウナー
肩にタオルをかけ、右手に桶
水風呂によく置いてある身体に水をかけるようのあの桶
そこにひたひたの水
何も言わず石にかける
耳が溶ける。髪が焼ける
肌はめくれ、脳は液状化する
助けてくれ。死にたくない
サ室からの逃亡。水を求める男たち
水風呂はなんてことない水風呂だ
ただこの水の神は命の恩人だ
きらめき揺らめく水。外気がそよぐベンチ
鶯谷には怪人がいる
ロウリュ、、あれはロウリュなのか?
前世が見えた
僕の前世はあさり。そう僕は僕である前はアサリだったんだ
酒蒸しにされた記憶
あの忌まわしき記憶
木更津の海岸だ
漁師の酒のつまみに蒸されたアサリ
妖怪熱波師は去っていった
僕は仇をとるためにサウナへと向かう
10分。12分。15分。
揺らめく水はあの木更津の海か。それとも、、
流した汗の分オロポーを流しこむ。
今夜はアサリの酒蒸しにしよう。
鷹の爪とバターをひとかけ入れて醤油をかるくふる
パセリを散らして、黒コショウをひと振り
帰りにお姉さんはもういなかった
鶯谷がよく似合うおじさんとガンダム
駅へと向かう道にきらめくものは無い
素敵なひとも魅力的な店もない
この街できらめくものはただ、あの水風呂のみ
[ 東京都 ]
雨。外が見えるタイプのエレベーターに乗るのは雨の日がいい。
だってなんかかっこいいじゃん。
天空へと昇るエレベーターから見えるあかりは暖色の街灯。
落ち着いた、隙のない淡さ。
雨に濡れた硝子が暖灯をさらに滲ませる。
溶ける商店街、消える喧騒。
サウナ室はBARのような落ち着き。柔らかい熱さのようだが5分もすればガッと汗がふきでる。
8分で水風呂へ。
深い。耳までつかって内風呂のベンチへ。
傾いた窓に雨粒が当たる。
涙の音。温かい寂しさ。
2度目は12分。
何故か客の若者によるアウフグースタイム。
やさしい風。
ありがたい。
水風呂は軽くで外気浴へ。
冬が始まった日。
身体から蒸気が昇る。
高速道路と、駅のホームを見下ろす。
全裸で。
3度目は本格的にアウフグース。
グレープフルーツとジンジャー。
蒸気は周り柔らかに落ちる。
風は恵み。時に脅威。
備えがあれば受け入れられ、舐めてかかれば打ちのめされる。
打ちのめされたいときもあるのが人。
人は奇。
奇は人。
熱気は溶かす。
過去を、今を。
今は過去。
外気は逃がす。
人を、思いを。
思いは過去。
笹塚は雨がいい。
笹塚は雨でいい。
[ 東京都 ]
六本木はイルミネーションに踊る。
本格的に冬が訪れ、様々な思惑と欲に愚か者は踊らされる。
真っ白なコートに身を包みポーズをとるモデル気取りと、何の目的で撮るのか錆びついた男。
通行人の白い目。
青く輝くけやき坂。
麻布十番を抜けて南麻布へ。
もはや光は無く、暗闇とすれ違う自転車のライト、自販機の存在感のみが頼り。
暗と光が混在する街。
孤独と見栄と静寂と喧騒。
竹の湯は黄色く輝く。
湯は黒く、なめらか。
サウナは90度。
力強さは無いがやさしくゆっくりと包み込まれる。
FMラヂオが降り、時に入れ墨に息を飲む。
ここのサウナは時間が止まる。
12分がスタンダード。
水風呂は13度。キンキンだが、湯船同様黒く、なめらか。
シルクに包まれ水は身体中を軽やかに滑る。
居心地のいい13度。
穏やかなサウナに対し攻めの13度水風呂。そのミスマッチに人は怯むが、水質は臆病者をあざ笑う。
欲に踊らされた愚か者は、またしても翻弄され、踊らされる。
欲の街の端の、無欲の街。
無欲の中に欲望は浮く。
僕は水風呂へと沈む。
[ 神奈川県 ]
都内在住なのですがたまには近郊にでて横浜へ。
普段は上野やら鶯谷やら五反田やら錦糸町やらなんだか怪しい街のサウナばかりいっているので横浜のサウナに謎の緊張。
夕方5時。横浜。
駅は人の群れだが新宿のように殺気立っては無く歩く人に余裕を感じる。
駅を出れば焼き立てのワッフルとメープルシロップの匂い。
アウェイを感じる。。
そしてスカイスパ。なんと丸井の上。
こんなきれいな女性ばかりが集まるところにおっさんの裸天国があるのか。。
エレベーターで14階にあがる。
受付さん美人。結婚してください。
サウナ室には窓。夜景が見える。世の中は思った以上に幸せにあふれている。
上段で8分。水風呂後ミストベンチへ。
2セット目7分経過したところでエクストラアウフグースのアナウンス。
しまった、、タイミングを間違えた。このままだと死ぬ。
でもエクストラアウフグースを逃すわけにはいかない。
場所は上段サウナストーン横。
こんないい場所から逃げ出すサウナーがいるのか?
いるわけがない。
よし。横浜の地で灰になろう。
ヴィヒタの香りに包まれながら熱風を浴びる。
涙。
妻よ、、いつもありがとう。妻いないけど。
人数が大量だったので死ぬ前に退出して水風呂へ。
FUWAAAAAAAAAAAAAAAAAA
このあと記憶無いっす。
実際はもう3セットサウナ入ってますが。
ただただ幸せでした。
横浜はもうクリスマス。
幸せな街の幸せなサウナ。
ありがとうサウナ。
ありがとう早也加(元カノ)。
[ 東京都 ]
錦糸町。。久しぶりに来ました。
駅のホームから見えるスカイツリーは中途半端なところから中途半端な大きさで見えるのでなんともしっくりこない。
10年以上ぶりに歩く錦糸町。
相変わらず東東京のディープタウン感満載で懐かしさと、もう捨てたはずの過去を探られるような違和感に追われる。
夕方18時にニューウイングさんにIN。
下駄箱は半分以上が埋まっていて若干騒がしさを想像してひるむ。
4時間コースで2000円。場所を考えると高めの設定とも思う。
ロッカールームは広く、快適。
タバコが売ってるのも錦糸町らしくていいね。吸わないけど。
スポーツ着っぽい館内着は着心地最高。ダサいけど、リラックスってこうゆうこと。
早速浴場。
下駄箱の靴の多さに比べれば全然混雑してなくていい感じ。
他のおじさん同様くまモンシャンプーでからだを清めまずは風呂。
熱い。
お爺ちゃん家のお風呂級に熱い。最高。
ただメインはサウナなんで長風呂は厳禁。
熱くなりすぎたので一度水シャワーで体を冷まし、まずは低温テルマーレ。
あれ、、なんかじっとりと臭い。
おい嘘だろ。
いやでもセルフロウリュに憧れてきたんだとりあえず2杯。
うんやっぱり少し臭い。
だけどとりあえず10分はいよう。。
蒸気と熱さは良い感じだ。音楽が椎名林檎とサカナクションなのもいい。
匂いはきっと前に変なおじさんでもいたんだろう。だって錦糸町だし。
それはそれでいいよね。
水風呂はまず普通の水風呂へ。18度。
高めだけど低温サウナ後にはちょうどいい。
風の滝はちょっとぬるめ。
続いてボナサウナ。
イイ熱さだ。テレビが若干うるさく感じるけどここは錦糸町。サウナにテレビがないわけがない。
林修先生の豆知識を頭につめながら12分汗をだす。
限界で水プールへ。
13度。
最高すぎるだろ。
この地獄最高すぎる。
休憩所ではミストマックスボタンON。
おお神よ。
我を整えたまえ。
ボナサウナは12分、12分、14分で3セット。
水プールありがとう。
ボナサウナありがとう。
林先生ありがとう。
今日も完全に整いました。
帰り道にはしっかりと怪しいキャッチのお兄さん、安い顔したガールズバーの女の子の波をかいくぐり懐かしき錦糸町の街をあとにしました。
[ 東京都 ]
五反田。昔かわいいけどメンヘラの彼女が住んでいた。
よく考えたらなんであいつ五反田に住んでたんだ。
って訳で℃五反田に向かう。
五反田駅を降りて風俗街へと向かう。
ガチの風俗街だからさっさと店を見つけてさっさと入りたい。
。。見つからない。どこだよ。
あるのはピンサロばかり。
ここもピンサロ。あそこもピンサロ。
あの角をまがると、、、ピンサロ。
違う。俺が行きたいのは℃ドシーだ。
ハイパーエボリューションではない。
五反田をぐるぐる回る。
違う、ここはガールズパーク。
違う、ここはライオンハート。
どこだ、、どこに、、ん?
真後ろドシーじゃん!!
やっとあった。。見つけただけで整いそうだ。
1時間1000円。
1時間で満足するのだろうか。
館内はコンクリート打ちっぱなしでおしゃれだ。
風呂は無く、シャワーで身を清める。
床が若干ぬるぬる。もっとよく磨いてほしい。
先客は3名。うち一人は背中に立派な般若。
サウナは階段式。
とりあえず3段目で10分いってみよう。
香りがいい。
ミントの香りが心を穏やかにさせる。
あ、このサウナ好きだ。
無音なのもいい。
自分を見つめなおす。
退出し水風呂、、ではなく水浴び。
とりあえず20℃。
うおおおお!20℃でこれ??やばい。
完全に意表をつかれ休憩。
やばい、水怖い。(笑)
サウナ2度目は誰もいなかったのでてっぺんへ。
暗く、無音、目をつむり、、、すべてを出す。
12分後。15度の水。
3度目ロウリュをして再びてっぺんへ。
ミントの香りに包まれる。
15分が長く、短く、儚く、遠い。
無音のサウナは孤独。その孤独は恐ろしくなく、寂しくなく、ただただ自分であるだけ。ただ、そこに自分がいるだけ。
そんな瞑想を現実は一瞬ではがしにかかる。足の裏あっつい!!
あっつ!!階段あっつい!!あ!!うっそ!まじ!
助け、、10度の水冷たっ!!
常温の水やさしい!!ホッとする!
外気浴スペースは壁1枚で完全に公道なんでなんだか落ち着かない。
サウナ良かった。。すごくいい。
水はやっぱり、水風呂がいいな僕は。
正直ちょっと整わなかった。
1時間ってのもちょっと無理があった。やっぱり2時間は欲しいかな。
金払えばいいだけなんだけどね。。ケチなもんで。
でも、あのミントの香りは惹かれちゃうよね。
またね。℃。