【閉店】共栄湯
銭湯 - 北海道 札幌市
銭湯 - 北海道 札幌市
パンダだけが入店できる銭湯があるという。
まったくもって馬鹿げた話だ。
日本にいるパンダは中国からレンタルされており、1頭につき年間1億円とも1億8千万円ともいわれる巨額のお金を中国政府に支払っている。
そんな政治と金にまみれた動物・パンダが日本の銭湯に通っているなんて、今どき小学生だって信じやしない。
だが、ここに衝撃的なルポがある。
https://www.ehonnavi.net/ehon/90594/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%83%80%E9%8A%AD%E6%B9%AF/
まさに暴露としかいえない内容に、私は戦慄した。
著者の名前は『tupera tupera』。読み方がわからない。パンダが高度な国際問題だから匿名性が必要なのだろう。
この本は暴露系ルポタージュではあるが、イラストが多用されているので読みやすく仕上がっている。ぜひ読んでみるといい。
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共栄湯が『パンダ銭湯』と化す。
共栄湯のInstagram・Twitterで発信されたそのニュースに私は震えた。
「この目でパンダの秘密を確かめることができる」
極めて政治的で危険な賭けだが、好奇心は抑えられなかった。
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「やはり……」
浴場にはパンダであふれていた。
だが、一見するとパンダには見えない。ともすると、お兄さんやおじいちゃんやおじちゃんにすら見える。
しかし、私の目はごまかせない。
脱衣所で「あれ」を「チャ!」と外していることはわかっている。ルポを貪るように読んだ私はすでに「パンダ銭湯に来るパンダがパンダには見えない」など知っているのだ。
「……公然の秘密」
思わずそうつぶやくと隣で頭を洗っていたおじさんみたいなパンダがちらっとこっちを見た。
こちらがパンダをのぞくとき、パンダもまたこちらをのぞいているのだ。
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パンダ銭湯の秘密を知った充実感でいっぱいだ。そんな私の体にはほのかな笹の葉の香りがまとわっている。
「ありがとうございましたー」とさわやかに挨拶をしてロビーをあとにしようとすると人間のご主人が
「あ、これ持ってきなー」
と名刺サイズの紙を渡してくれた。
そこには『入泉証明書』と書かれていた。
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今もその証明書は私の財布の中に入っている。これが今日の出来事が現実だったことも証明しているはずだ。
ちなみに私はよくない薬やいけない葉っぱはたしなんでいない。ちょっとレモンサワーを飲みながらこれを書いているだけだ。
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