PEPE

2019.08.30

1回目の訪問

旭川の天空に聳え立つサウナ。
ジリジリと肌の毛が焼ける様な超高温のサウナ室。ここの部屋から出た時には肌が焼けてるのではないかと疑うほどの暑さ。波照間島の超晴天プライベートビーチかと錯覚してしまう。
肌が焼け切ったかと思った瞬間に汗が噴き出す噴き出す。乾き切った汗腺からドバドバと塩分を含んだ汗が流れ落ちてゆく。

水風呂。
四角い浴槽に揺らめく水。
キラキラと光り輝きながら形を変え続けてゆく。体の汗を洗い流して入水。
ピリリと冷たい水かと思いきや、優しくもマイルドな肌触り。あぁ、これ、好きな水風呂だ....と確信しながら目を瞑る。水が揺れる。水が揺れる。意識は蒼く冷たいドープな世界へ。

水風呂から出てOUTのドアへ。
ドアが開かれると左側にはバスタオル、右側には肉厚のバスローブが幾重にも重なり存在する。圧倒的ッ。
なんだこの贅沢なアイテムたちはッ!
毎クールで新しいバスタオルとバスローブだと?!ぜ、贅沢すぐるッッッ!

バスローブを身に纏って一人がけ用ソファーへ身を任せる。脱力、ただ脱力。意識は外から内へ。そして無。
身体の表面がピリピリと光を解き放つ。

このルーチンを三回繰り返して、三度バスローブを身に纏い、ガラス窓側のソファーへ。
身体がどんどん下に落ちていく、と思いきや一回転するではないか....なんて合法トリップの世界を楽しむ大人の遊び。
ふと首を左に回旋させると目の前には床から天井サイズの超巨大窓ガラス、目の前に広がる旭川市の街。現在は20:00。地平線に光の玉で凹凸を彩った線が丸みを帯びて空間の最奥に広がっている。
この光の玉の数だけ人がいる。家族が住んでいる。生きている。人々よりも旭川市のど真ん中に聳え立つホテル最上階にて整っているという事実。この事実を私以外は知らないのだ。絶対に。
心躍るダンスの芳醇な甘みを噛み締めながら、一般庶民の私が唯一、あぁ、今この瞬間、世界で一番ハッピーなのは俺だ。間違いねぇ。って思える。これってなかなか得られない心の言葉。

宿泊者しか利用できないサウナ。
だからこそ、混まない。
サウナ室にTVは存在しない。
無駄な情報は一切存在しない。
オンラインから完全オフラインの世界へ。
世界トップレベルの贅沢なサウナ空間を独り占めできる。
宿泊費とサウナ料金は全て込み最安値で5000円くらいか。
サウナーたちよ。
ここはサウナのユートピアだ。

休憩ルームでビールを注文。
冷えたボトル、冷えたグラスが出てくる。
整った心と体にビールを流し込む。
これだよこれ。
サウナ最高。
生きてるって最高。

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