オアシスサウナ アスティル
温浴施設 - 東京都 港区
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“あのイス”。アスティラーであればこれだけでピンと来るでしょう。正式名称は“テルマベッド”(以下「テルべ」といいます。)サウナ界の玉座です。
これまで幾度となく着席してきましたが、その、なんと言いますか、とにかくスゴいんすよね。ヤベーんすよ。恐らくですけど、ローマ帝国が滅亡した原因のひとつだと思います。
ただ、このテルべ、二脚しかありません。競争は激しく、好きなタイミングで座れるわけではないのです。
思ったようにテルべに座れないときにどうするか。サウナ哲学、いや、生き方が問われる場面であると言えます。
これには色々な対応があり得ます。
例えば、「テルベなんて大したことないわ。言うても石やし!硬っ!」などと自分に言い聞かせる方法。これはサワーグレープなどと呼ばれる現象であり、しばしば観察されますが、あまりに情けないと言わざるを得ません。欲しいものがあるなら、獲得すべく工夫をするべきでしょう。
ではどうするか?テルべを楽しんでいる人(以下「テルバー」といいます。)を無理矢理排除するわけにもいきませんし、あからさまに順番待ちをするのも下品です。
そこで、近づきすぎず離れすぎず、通行の邪魔にもならず、かつテルバーの視界には入る位置に立ち、さらにテルバーの方は向かず少し斜に構え、直立のまま待つことにしました。
これは、「え?あの人、もしかして待ってる…?」という疑問をテルバーに抱かせる程度に不自然な行為であることは間違いありませんが、他方で、あからさまな順番待ちにまではならないギリギリのラインであるため、それなりに品を保ちながら、テルべを手にすることができると考えました。
当職はこの方法を、京都人の奥ゆかしさにちなんで、“キョウト・メソッド”と名付けました。完璧な理論に思わず笑みがこぼれます。直立しながら。
…しかしながら、テルべの獲得競争は熾烈を極め、結局、キョウト・メソッドの実行により得られたものは、直立のままととのうことのできるスキルのみでした…。
サウナ、水風呂、直立。人間はこれでも十分にととのうことができます。当職はこの流れでととのうことを、“ショーシャンク・スタイル”と名付けました。
今回は残念ながらテルべを楽しむことこそできませんでしたが、それでも隙のない施設、わがホームサウナで、バッチリととのいました。
文才に感動しました
キョウト・メソッド実践させていただきました。感謝どすえ。
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