では本館の秘湯に入ろう
完全に半世紀ほど時が止まった超レトロなロビーで気分が上がる
男女別の内湯と小さな露天、そして大きい露天風呂が2つ
こちら大きなお風呂が時間帯により混浴となる
大丈夫、湯着があるのだ
いや、湯着が、無い…
露天に向かう通路にサンダルや脱いだ湯着を入れるバケツはあるが、肝心なそれがない
フロントはこの時間無人で、電話をしても出ない
今せっかく誰もいないんだ、マッパで行っちゃおうかな、でも知らないおじさん来たら痴女だと思われる
いちど脱衣所に戻りよーく見ると、あった!
筒上で上にゴムが入ったやつ
それを2枚取り出して上下に着る
熱い源泉が注ぎ込まれているんだけどあまりの寒さ(気温マイナス19℃)に熱を奪われ、ややぬるく恐ろしく気持ちが良い
星が瞬く露天風呂ですい~っと泳いだら湯着は全部まくれてしまった
上がってから間違えて上衣を2枚着ていたことに気がついた、下はショートパンツだったのね…
サウナに戻って薪をくべるが、やはりなかなか炎が上がらない
ストーブサイズに対して薪が大きく、ちょっと湿っているのが敗因だろうか
ロウリュしてみるといい音で石が鳴いた
一瞬の熱が泣くほど尊い
しかしサウナは50℃、今日はもう諦めよう
煙臭い服を脱ぎ、部屋の露天風呂に浸かりつつ一杯楽しむ
雪でキューゲル作ろうと買って来たアロマオイルやウッドデッキでゴロリとするための大判タオルは荷解きすることもなく持ち帰りだ
宿側は錯誤を招いた宿泊プランを詫び、固辞したが薪代を持つと言ってくれた
お気持ちに甘えビールをご馳走になって終了
オーナーのお母さんとフロントの女子は一生懸命対応してくれた、これは確認をしなかった私の手落ち
秘境の宿と都市のホテルは同じではない
不便でぼくとつとした田舎暮らしを楽しむのがひなびた旅館の醍醐味だ
ヴィラに85インチのテレビなんかあったので、つい勘違いしてしまった
しかし宿側もさぞドン引きしたことだろう
日も落ちるというのに30キロ先の店まで薪を買いに行くサウナ狂の執念
オーナーはすぐに予約サイトの文言を見直しサウナ使用プランを追加していた
サウナがきっちり稼働してプールに水が張られたら楽しいだろうな
そして本館のしょっぱそうな部屋に泊まるのも面白そうだ
さ、それじゃどこかサウナに寄って帰りますか…
※浴室の撮影は、施設の許可をもらっております
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足寄町芽登(あしょろちょうめとう)
TVポツンと一軒家が取材に来るくらいなので、かなりの秘境です、帯広から何もない道を北上する事70キロくらいラスト3キロは未舗装路
その秘湯がサウナをつくっていると聞いたので、何度か宿に電話をして出来たのか確認するも
「今やっている」「もう少しで出来そう」みたいな蕎麦屋の出前的
やっと出来たかと思えば、サウナつきの1棟貸ヴィラだと言う
サウナに入るにはその御大層な庵に泊まるしかないのだ、仕方ないなあ(歓喜)
部屋は90㎡もあり立派なキッチンやオシャレ家電が用意され快適
サウナはかわいいバレル、
手前に薪のカゴが見える
薪サウナか、最高じゃん!
なぜか「サウナ付きの庵が完成」と書かれているのにサウナの写真が全然無くて、どんなストーブかもわからずに来たのだ
しかし火が入っていない
暖めておいてくれないのか
すかさずフロントに電話
「今日はサウナ用意してないので入れません」
え(絶句)
サウナがあると書いてあったので来ましたけど?
「ちょっとお待ちください…」
あいにくオーナーは数日不在
フロントが電話で対応を仰ぐ
もうショックで貧血起きそう
遠距離もきついが、宿泊料金も!
電話から漏れ聞こえる名言
「サウナがあると言ったが入れるとは言っていない」
??
実はサウナ稼働は別料金プランを考えていたようで、今日は用意してないがお客さんが自分で薪を割るなら火を入れて良いということになる
私がここに来るのをすごく楽しみにしていたのを知っているトシ湯さん(夫)はすぐに軍手をはめてくれたが、ままごとみたいな斧と、フガフガの折込ノコギリに絶望
「買いに行こう、薪」
え?ここは秘境ですよね、ふもとのホームセンターまで30キロありますけど…
しかもトシ湯さん、ビール飲んだよね?
さっさと支度して車に乗り込む夫
助手席、
そうだよね、運転はワタシ…
なんせ運転が苦手なのだ、
先日はリアウォッシャー液(汁)を出せずに苦戦したが、今日は真っ暗な田舎道&飛び出す鹿
途中ハイビーム操作を誤り右へ左へウインカーを出してしまったが、なんとか無事に薪を買って来た
しかしストーブの調子が悪いのか薪が湿気っているのか、はたまた気温(マイナス18℃)に対して熱が足りないのか、サウナは暖かい程度にしかならん!
とりあえずストーブに薪をぶっ込んで夕食をいただく
そして本館の素晴らしき温泉にも入りに行かなくてはならん、が、
混浴なんですよね…
以下次号!
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