【出島にフィンランドが出現した話】
サウナ創造学の仲間が作ったサウナに行ってきた。
1年前から『循環』というキーワードで宮城県女川町の離島、出島(いずしま)でサウナ作りを進めていた仲間だ。(今は橋が開通)
循環とは、森の木を間伐しそれを材に使うことで森の再生を促すというもの。切った木は薪にも使い、その灰を森に撒くことで、それも森の再生につながるという。
そうして1年がかりでできたサウナは、まさにフィンランドだった。
フィンランドのサウナと日本のサウナのいちばんの違いは、ロウリュ(焼けた石に水をかけて発生させる熱い蒸気のこと、またはその行為)を楽しめるサウナかどうかということ。
日本のサウナの多くはロウリュができないし、できたとしても温度設定が高すぎてロウリュが熱すぎる、またはサウナ室内の空気の対流がいまひとつでロウリュの気持ち良さが活かされていない、など。
フィンランドのサウナはそもそもそんなに温度は高くないので、とても居やすいし話しやすい。
ロウリュするとすぐ熱が抜けるので、1〜2分でロウリュしたくなる。すぐあの素敵な熱を感じたくなる。
それが出島のサウナJUURI SAUNAは完璧だった。
出島大橋の開通とともにカットオーバーされたJUURIサウナを、ありがたいことに体験させていただいた
コンセプトや話題性が先行するサウナを訪れては肌に合わず辟易することが多かった自分にとって、感動的な体験となった
ご一緒した汗友とはサウナの中で、初めて皆でつなかんでサウナトースターに入った時みたいな気持ちだね、と興奮しながら語らった
サウナの中で語らうのは久しぶりで、それがとても嬉しかった
コンセプトやスペックを寄せ集めるのではなく、思い描くサウナを作る過程でこの希少なストーブや設計に辿り着いてる点で、このサウナは体験する価値に満ちているのだと感じた
ロウリュだけではなく、ストーブ上部の開閉、座る位置によって変化に富んだ熱を感じることができて、私達は久しぶりに猿のようにサウナを楽しんだ
こだわりはサウナの周辺の洗練された空間にも詰まっていた
精力的にサウナを巡る方には勿論のこと、ブームに疲れ気味の方こそ、JUURI SAUNAに足を運び、楽しさを味わってほしいと思った