七福湯

「これからの今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。」

転職活動をして1ヶ月
１次面接をした会社からお祈りメールをもらった
学生時代の就活以来の祈祷だった

まぁあの会社の求める人材じゃなかったってことか

そう自分に言い聞かせるようにした。あの頃とは違い、幾許か歳を重ねた。
俺も大人になった。学生の頃はお祈りメールだけで腹が立っていたこともあった。自分が悪いのに。
卵が余っていたし、チャーハンでも作りましょうかね
キッチンに向かう

気づいたら俺は無表情で卵を素手で握りつぶしていた。
手の間から卵だったものがペペローションのように零れ落ちる。

ヤバイめっちゃイライラする
定型文で人の人生祈ってんじゃねぇよ
何が誠に残念ですが・・・だよ。残念なら採用しろよ。

怒りの思考がしきじの水風呂のように上からブチ落とされてくる。

そうだサウナに行こう。

というわけで
七福湯。

今日は鹿児島県阿久根市の特産品ボンタンを湯に浮かべるイベントを行なっていた。
ボンタンとは甲子園球児の頭ほどあるデカイグレープフルーツのことである。

ボンタン湯仕様になっている暖簾を潜ると、番台に立っているおばあちゃんが
「あんたそんな格好できたの？寒くなかった？」と声をかけてきた。

これが町の銭湯の良さでしょ。
AIがどんなに進化しても銭湯の番台のおばあちゃんの心温まる一言はだせないの。

浴槽に入ると、ナイトプールで漂う童貞のようにプカプカとボンタンが浮かんでいた。
嗅ぐとほのかに柑橘系の香り。The風情。

子供たちもボンタンに大喜び。
それを見て和むおっさん。

やっぱ銭湯って素晴らしい。ここの幸せの構図が全て詰まっている。

サウナに入るとストーブが見当たらない。
格納式サウナだ。ニューウィングに行った時もベンチの中にストーブが格納されていて、神隠しだ、天狗の仕業だ、と心の中で大騒ぎしたがまさかここで出会えるとは。

テレビもないBGMもないサウナだが、それがまたいい。
その方がゆっくりと自分と向き合える。
とかいいながら、それは最初の1~2分だけ。残り10分はひたすらアツいなぁ、、、水風呂早く入りたいなぁとか考えてる。

水風呂をでてすぐに外気浴スペースがある。
銭湯の弱点といえば、ととのい椅子があるところが少ないところだが、ここには確かにあった。存在していた。

バッチバッチにととのったあと帰りの車でニュースでドラゴンズのキャンプの情報が流れてくる
根尾・・・お前スリーベース打ったのか・・・
俺は泣いていた

厳冬はお風呂と薬草の効能で打ち勝つ。

名古屋市南区の銭湯「七福湯」。創業が昭和9年なので屋号自体は長い歴史を持っていますが、建物は平成9年に新築したとのこと。昔ながらの銭湯の良いところは残しつつ、時代に合わせたニーズを取り入れていると思われる点がいくつもあります。

そのうちのひとつがバリアフリー化。玄関にはスロープ。施設内は段差が殆ど無く、浴場も例外ではありません。浴槽は手すりがついており、水位も低め。それでも転ぶ人はいるみたいですが、昔ながらの銭湯と比較するとかなり使いやすいと思います。

〜以下サ活〜

受付で入浴料を支払います。（サウナは無料）その際、ロッカーの鍵を渡してくれるので、鍵の番号の部分を使用します。帰るときは必ず鍵を返却すること。

お風呂の種類は多いです。
・ボタンを押すと強力なジェットが味わえる
・電気風呂はやや強めの揉兵衛
・打湯は肩がえぐられたと感じるくらい超強力
・土日になると生薬を使用した薬湯
　→入ると体が温まり、出た後も暫くの間はぽかぽか状態が続きます

カランも温度調整可能なシャワーホース付きのタイプ。無料のボディソープとシャンプーがあるのは嬉しいです。

■サウナ
・2段、内1段目はL字
・壁は木製
・無音（テレビ、有線無し）
・砂時計 × 2

生薬の香りが強めのボナサウナ。思いっきり深呼吸すると体が喜びます。温度は高く、湿度はそれなり、加えて薬草の効能により、発汗性は抜群だと思います。先の薬湯で湯通ししておくと効果は更に増します。

■水風呂
サウナ室を出てすぐ近くにあります。約16℃。サウナ後のクールダウンには最適の温度です。大きさ的に1人が限界だと思います。

■休憩
銭湯には珍しく外気浴スペースがあります。生薬のおかげなのか、夜の寒い時間でもお構いなしに外気浴で休憩できます。脱衣所にもベンチや椅子があるので、外気浴がどうしてもダメな方でも、しっかり休憩は出来ると思います。

■感想
ここはすごい。あいち銭湯はどの店舗も違った特徴がありますが、生薬をここまで全面的に出しているのは中々見当たらないと思います。サウナと薬湯の効果で、帰りは徒歩でもほとんど寒さを感じませんでした。

ちなみに、ここの大将は優しくてフレンドリーな方です。女性のお客さん曰く、ダンディーとのこと。真相はぜひ行ってみて、自分の目で確かめてほしい。（本当だよ）