昭和という時代がここで止まっているかの
ような銭湯です。
外には解体現場から運び込まれたと思われる
ホゾ穴の空いた梁が積まれています。
薪で焚く銭湯のようです。
暖簾をくぐると
レトロな文字で「ミネラル温浴泉」と
男女各々の扉に記されています。
その扉の上の欄間ガラスが
昭和ガラスの銀河デザイン。
どこかで見た事がある。おじいちゃん家か？
懐かしさを感じさせます。
扉の先には脱衣がありその先に浴室がある
一般的な銭湯レイアウトですが、
全てがフラットで
「空間を有効利用しよう」
そんな気配の全くない、贅沢な使い方です。
その分、解放的で広く感じます。
年季は入っているものの、
大切に使ってこられたことが感じられ
清潔感があります。
女湯ながら、死角を狙わないと
番台から見えてしまう。
そんなところも
時が止まっているかのような錯覚に陥ります。
ミネラル温浴泉のせいなのか、
薪で焚いているからなのか、
湯は柔らかく心地よい。
サウナはスチームのみ。
コロナで稼働していなかったのが残念ですが、
稼働していなくても室温は45℃ほどありました。
もしかすると釜から近いところにあり、
室内が熱せられているのかもしれません。
これはスチームの蒸気と相まった時の
環境が楽しみです。
スチームサウナの横に水風呂があります。
これは地下水なのか、柔らかいです。
水温は冷たくなく、
ゆっくりじわじわ体を冷やすのを楽しめる
優しい温度です。
スチームが休止していたので
温冷浴を楽しむにとどまりましたが
妙な魅力のある銭湯と出会いました。
生駒山登山コース「なるかわ谷コース」から
数百メートル外れた位置の
住宅街のど真ん中にあります。
サウナーの方々にわざわざきて欲しい、
というよりも、
登山の疲れを癒しに
ちょっと立ち寄ってもらいたい。
そんな銭湯です。
女
-
24℃
