アヤシイ水風呂をたずねて三千里

サウナイキタイ アドベントカレンダー 22日目の記事です。

こんにちは、ぷいぞうと申します。突然ですが、皆さんは未訪のサウナを開拓することは好きですか??

私は、新しくサウナを訪ねるとき、いつもドキドキします。サウナに入るということ自体に全くときめかなくなった現在でも、新規開拓の際は胸が高鳴り、自然とテンションが上がります。浴室のみならず、施設全体の導線や構造、サービス展開をくまなく見て、他の施設との個性の違いや類似性を発見したりすることも、サウナを楽しむことと同じくらい好きで、無意識のうちに習慣となっていました。

新しい施設を開拓し続ける、ということの他に、私がサウナ施設や銭湯を巡る上で、自分の中でモチベーションになっている裏テーマのようなものがありました。それは、ずばり「サウナしきじを超える水風呂を探す」(注:ぷいぞう主観)というものです。

サウナしきじについては、最早説明不要の日本が誇る最高のサウナ施設の1つだと思います。とりわけ、水風呂については誰もがとりこになっていて、その良さを肌で実感していることと思います。もちろん私も、骨抜きにされた1人です。ですが、様々な記事やメディアで紹介される際に使用される「~の聖地」、「日本一の」などの修飾語は、あまのじゃくな私にはいささか引っかかるものがありました。

「まだまだまとまったサウナに関する情報資源に乏しい中(注:サウナイキタイ誕生前)、きっと全国各地にまだ明るみに出ていないすごい水風呂があるはずだ!」かくして私の心に火がつき、サウナへの関心を加速させ、私の水風呂探しの旅が始まっていきました。

今回はずばり、2018年総括の意味を込めて、特に印象に残っている個性的な5つの水風呂をご紹介させて頂こうと思います!

選定上のマイルール
・そもそも水風呂として秀逸である(注:ぷいぞう主観に基づく)
・その上でさらに何かしらの個性がある(注:ぷいぞう主観に基づく)
・しかし、あまり注目を浴びていない(注:ぷいぞう調べに基づく)
・かつ、アルプス周辺やその他の山間部などの水風呂は除外する
・広く注目されているメジャーな施設は除外する(注:ぷいぞう主観に基づく)
・東京都の施設は除外する
・男女共にその水風呂を体験できる(⇦最も重要なポイント!)

今回は、上記の縛りのもとピックアップしました。しきじの対抗馬としてその名が挙げられるであろう、京都の白山湯(その他京都の銭湯全て)、スパアルプス、大垣サウナ、湯らっくす、山梨県や長野県、北海道の施設などは当然除外の対象としました。好みや順位、ではなく「個性」にフォーカスしています。少しでも、未開拓の施設に興味を持ってもらえたら、また訪問済みの方も、ご自身の感想と比較するなどして楽しんで貰えたらなと思います。それでは早速参りましょう。1発目の施設はここだ!

ユーランド八橋@秋田県秋田市

秋田市の八橋(やばせ)にある、ユーランド八橋という施設です。ここの水風呂は「FFCウォーター」なる水が使われています。HPを見ると、早くも好奇心を煽る文言が目に飛び込んできます。

「FFCとは、特殊な鉄分”Ferrous Ferric Chloride”に由来し、アカツカグループが「生物の機能を高める」と認めたものの総称です。FFC水は、還元作用を持ち自然治癒力を高める働きがあると言われています。ゆ~らんどでは、このFFC水を全てのお風呂に使用しています。」公式HPより引用)

おいおい、・・生物の機能を高めるってなんだ??よけい解らなくなったわ!しかし、ここまで明言している施設も珍しい。もしかしたら本当に回復の泉かもしれない。というわけでまんまと心を奪われてしまった私は、幸運にもすぐに訪問チャンスをゲットすることができました。

アカツカグループさんとは、ユーランド八橋の経営母体で、どうやら東京の駒込にあるロスコさんと関連があるようです。ロスコの水風呂、大好物なので訪問前からドキがムネムネしていました。

個人的な見解ですが、ゆるキャラを設定している施設はよい施設がおおいです

到着すると、ユーくん、ランちゃん、ドンくんというゆるキャラが出迎えてくれます。はやる気持ちを抑え、いざ、浴室へ!

公式HPより:右側の浴槽が水風呂)

夜だったため照明はやや暗く落ち着いた雰囲気で、水風呂はHPの写真同様うっすら色みがかって見えました。バイブラがあり、温度は体感16℃くらい(訪問時は2月)で、草加健康センターのそれに近い印象。うん気持ちいい。塩素臭もない。あがった後も続く爽快感とかはないけれど、浴後シャッキリする「間違いない」やつだ。

なお、極上の水風呂の定義についてはしませんが、「身体をチューニングするための補助機能が高い水風呂」を私は個人的に「良い」水風呂と捉えています。

逆の「よくない水風呂」については断言できます。加水も動きもない、人の皮脂や汚れ、においを感じる、もったりとしていて不衛生な、最早「水たまり」と化している水風呂です。これについて温度は関係ありませんが、放置された水なので相対的に温度も20℃以上であることが多いと思います。叶うなら、そんな水風呂がこの国から消えてなくなりますように・・・。

この施設は、FFCウォーターの水風呂だけでなく、サウナもすごくよいです。サウナストーブがベンチの真ん前にあって、柵に囲われていないので限りなく近いし、しかもエンドレスに不思議な構造のオートロウリュがグツグツいっているレアな構造のやつです。しっかり温まるので、真冬の外気浴も捗りました。

ユーランド八橋は、施設トータルでも非常にクオリティが高くて自分自身何度でもイキタイ施設でオススメです。東北を巡る機会がありましたら是非ローテーションに入れてあげてください!

ユーランド八橋

のぼり雲@神奈川県横須賀市

2つめの施設は、神奈川県横須賀市にある、のぼり雲「冷水炭酸泉」の水風呂です。この施設もまた、魅力的な言葉で水風呂を推しています。

「国内初の冷水炭酸泉をお楽しみ下さい。」公式HPより引用)

なんて好奇心を煽るフレーズだ・・・。行くしかないじゃないか。ちなみに私にとっては、自分の身体へのエフェクトの強いもの=よい水風呂という意識は全くなく、むしろ「面白い水、なんだかよくわからない水」の方が興味深いです。効果をまるで感じないのであれば、それもまた一興ですね。

公式HPより:写真中央の小さい屋根の下が水風呂です

さて、館内の雰囲気は、第3セクターの経営を思わせる牧歌的な温浴施設ですが、HPからも中々の情熱を伺えます。また、サウナと水風呂がアウト−アウト方式なのも魅力です。露天にサウナと水風呂があることに賛成する人はいても、反対する人っていないのではないでしょうか。

肝心の水風呂は、ちょうど2人がすっぽり入るサイズ。深さは調度よく、温度も真夏でも体感17℃くらいでバッチリ冷やしてくれます。柔らかい肌感触で、これまた「間違いない」やつでした。惜しむらくは、炭酸泉の効能を感じるほどには長く浸かっていられないことです。この施設も、機会があればまたすぐ再訪したいです。

のぼり雲

高松ぽかぽか温泉@香川県高松市

3つめの施設は、香川県高松市にある、高松ぽかぽか温泉にある「純水」の水風呂です。これを見つけた時は衝撃でした。Twitter上では、しきじを筆頭に、天然の良質な水が使用された水風呂が話題になる中、最もその対極に位置する人工水風呂の最たるものだと思ったからですぽかぽか温泉は西日本を中心に展開している温浴施設のグループですが、どうやら純水の水風呂があるのはここ高松だけのようです。

「水中の不純物をすべて取り除いていた、硬度成分を一切含まない肌にやさしいお風呂。浸透力・洗浄力に優れ、まるで化粧水のように肌にしっとりと潤いを与えます。」公式HPより引用)

硬度成分を一切含まないってどんな肌触りなのだろう。というか、どうして純水の水風呂なんて作ろうと思ったのだろう。気持ちいいからと思ったからだよね。絶対。そして、どういう循環のシステムで純水にしているのだろう・・・。気になって夜も眠れませんでした。

気がつくとうどん県に降り立っていました。おっ!この施設もゆるキャラがいるな。入る前から良施設のにおいがプンプンするぜ。

公式HPより:2階がロイヤル専用)

施設のスペックは普通の地方のスーパー銭湯のそれかと思いきや、構造も関東では中々お目にかかれないもので、とても興味深いものでした。まず普通の入浴コースとロイヤルコース(サウナ付き)に分かれていて、ロイヤルを選択すると専用の鍵を渡されます。

1階が普通の銭湯スペースで、鍵付きの扉を開けると階段があり、2階にサウナ、水風呂、ジャグジー、露天があるというものなのですが、そもそも鍵をあけて2階に進むという仕組みが面白い。ちょっとしたRPGゲームのようだ。

1階の洗い場スペースには、イスというよりただの凸状のタイルが突き出していて、どうやらそこに腰掛けて体を洗う文化のようです。独特!

極めつけは、2階のジャグジーの中に雲梯・・・。フルチンでおじさんが雲梯しているところを誰が見たいだろうか。どういう意図で設置されたのだろう。純水の水風呂に入る前に世界観が独特すぎて一気にファンになってしまいました。

サウナはガス遠赤ストーブで訪問時104℃を指していました。ややカラカラだけど、悪くない感じ。そして、ようやく純水の水風呂へ!

まず3〜4人くらいでパンパンの大きさだけど、深さが2段階で深め。タイルが三軒茶屋駒の湯やユーカリが丘のアクアユーカリのような濃いブルーのタイルのやつ。見た目から清涼感があってよろしい。温度は体感17℃ほど。肌の感触は・・・なるほど柔らかいというよりはトロみがあるような感触だ。だけど、しっかり肌に浸透する感じもある。

あまりやらないのですが、ここでは潜って目を開けてみました。うん、透明度が高いし目が痛くならない。これが純水の力か・・・。思わず飲んでみたくなる水風呂でした。浴後の肌の爽快感はさほど強くはないタイプですが、とても印象深い水風呂となりました。

高松ぽかぽか温泉は男女入替式のようなので、ぜひ機会があったら高松へうどんを食べに行くついでにでも寄ってみてください。

高松ぽかぽか温泉

カプセルルーム&サウナマリノーヴア@宮崎県宮崎市

4つめの施設は、宮崎県宮崎市にある、カプセルルーム&サウナマリノーヴアにある「天然大淀裂罅水」の水風呂です。もう、名前からしてインパクトがすごい。天然大淀裂罅水(てんねんおおよどれっかすい)と読むようです。この名前を見た瞬間、私は「魁!男塾」のキャラクターが必殺技で使いそうな名前だと思いました。「あれは・・世に聞く天然大淀裂罅水!」、「知っているのか、雷電」というやりとりが容易に脳内で再生できます。

「天然大淀裂罅水こそ、冷水の水風呂の極みです。今までにない爽快感をご体験下さい。」公式HPより引用)

キタコレ。PRIDEの煽りVかってくらい煽ってきますね。こういうテンション大好物です。でも確かに、熊本(阿蘇)の水や、高千穂の水など近隣の地域では名水がたくさんあるので、偽りはなさそう。それでは見せてもらおうじゃないか、宮崎の天然大淀裂罅水とやらの実力を!

訪れたのは、1月の深夜でした。マリノーヴァはホテルマリックスに併設されているサウナ&カプセルのようです。

公式HPより:水風呂と天然大淀裂罅水の看板)

いざ浴室に入ると・・・ありました、ありました。コンパクトな浴室内にデカデカと天然大淀裂罅水を謳う看板が。相撲部屋のそれみたいにインパクトあるな・・・。

コンパクトだけど、浴槽(お湯)の中にベンチが入っているやつ、見たのはここが始めてだな。サウナ室もまた構造が面白い。ツインの遠赤ストーブのタワー型なのだけど、一段一段の高さが低く、また天井も低いので温度より体感が高めで非常によい。最上段で普通に天井に手が届きます。サウナ室の天井、このくらい低いのをデフォルトにして欲しいなあ・・・なんて思っているうちにしっかり温まったので、いざ天然大淀裂罅水へ。

公式HPより:水風呂とサウナ室)

結論から言うと、とても気持ちよかったです。10人くらい余裕で入れる深めの水風呂。そして、細めだけど、しきじ同様、上からドバドバ加水している!高円寺のサンデッキの加水をちょっと強めにしたやつ、といえばなんとなく想像してもらえるでしょうか。この加水方式自体レアなので、構造フェチからしてもたまらない。

体感は19℃くらい。確かに真冬だし、ここのサウナの温度との相性もとてもいい。なるほど~と思って、上からドバドバ落ちてくる水をおもむろに浴びてみました。「熱っっ!!」温度は30℃以上あるんじゃなかろうか・・・あまりの予想外の展開に思わず笑みがこぼれました。

でも不思議なのは、こんな温度の加水をしているのに、水風呂はしっかり冷たい・・・というかバッチリ気持ちいい・・・。話を聞いてみると、やはり冬は意図的に加温しているみたいで天然水と循環の水両方を使用しているとのことです。恐らく、天然大淀裂罅水の第一形態だったのだと思うけど、その実力を充分に堪能させていただきました。帰り道、しっかり清涼感が残っており、肌がすごく爽やかでした。

マリノーヴァは男性専用ですが、案ずるなかれ。すぐ近くに系列ホテルのホテルマリックスラグーンがあり、そこの温浴施設「スパぱうぱう」も天然大淀裂罅水をしているようですので、南九州へ旅行の際は、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか!

そして最後の水風呂。悩みに悩んだ末、未訪なのですが、この施設はまだサウナーが(恐らく)誰も到達していなく、かつ、魅力的な水風呂の予感がぷんぷんするので、あえて共有させていただこうと思います。

カプセルルーム&サウナ・マリノーヴァ

室戸海洋深層水スパシレストむろと@高知県室戸市

公式HPより:浴室内の海洋深層水プール)

文字通り、高知県の室戸岬にある施設のようです。室戸岬といえばご存知の通り室戸海洋深層水。この施設は、ドイツのハイドロセラピー(水療法)をベースにした様々な水中運動プログラムがあり、そして全ての浴槽やプールに「室戸海洋深層水」を使用しているとのこと!

シレストむろとは、室戸海洋深層水を利用した健康増進施設です。公式HPより引用)

池袋のタイムズスパ・レスタでも海洋深層水を使ったフェアがありましたが、こちらはまさに本場の海洋深層水の水風呂・・・。オリオンビールだって、沖縄で生を飲むほうがうまいに決まっています。こちらの施設にはフィンランドサウナがあり、またアウフグースのプログラムも実施しているようなので、サウナと水風呂に力を入れていることは間違いなさそう。

室戸海洋深層水100%の水風呂、いったいどんな気持ちよさなのだろう・・・掛け流しでじゃぶじゃぶオーバーフローさせていたら最高だろうなあ・・・などと妄想は強まるばかりです。まだまだ日本には、面白い水風呂で溢れているに違いない!

シレストむろと

そして旅はつづく

今年の2月、高知に行く機会があったのですが、如何せん室戸岬は空港から遠く・・・訪問できず涙をのみました。どなたか・・・機会があれば代わりに無念を晴らしてください。個人的には高知リベンジとして、サウキャンフェスのテントサウナ仲間たちと、日本が誇る清流仁淀川&四万十川でテントサウナを満喫し、シレストむろとに寄る、という「日本が誇る水をとにかく満喫する」ツアー決行という中長期的野望を抱いています。

まだまだ、サウナに関して行きたい場所、やりたいこと、ありすぎてどれから手をつけていいかわからないという方、多いのではじゃないでしょうか。サウナ体験1つをとっても、色んな切り口や楽しみ方、アイデアがありますよね。サウナイキタイをハブにして、たくさんのサウナ好きの方々ともっともっと繋がっていきたいと思っています。

私もいつしか、色々な水風呂に出会ううちに、しきじを超える水風呂を探すことがモチベーションというよりは、日本が誇るすばらしい水風呂、面白い水風呂を数多く体験し、自分の現在のコンディションにベストマッチするものを適時引き出しから取り出せるような、水風呂コレクター、水風呂ソムリエ、DJ水風呂(ん?)みたいな方向性にシフトしているな、と改めて認識しました。

如何でしたでしょうか。いや、俺だって、私だって、個性的な水風呂ならたくさん知っているよ!とか、それだったらこういう切り口の方が面白くない??という感想をお持ちになったのではないでしょうか。はい、それが狙いでした。ぜひ、教えてください!皆さん秘蔵の個性的で愛してやまない水風呂を!

サウナーズサウナを掘り起こしてみんなで情報共有することは、twitterやサウナイキタイの適切な利用方法だと思っています。まだまだ知らない世界が広がっているかと思うとワクワクします。有益な情報はどんどん共有し合って、みんなで快適なサウナライフを送っていきましょう!

2019年の皆さんのサウナライフが更に充実されることを祈念して、末筆とさせていただきます。最後までお付き合いいただきありがとうございました。

紹介した施設

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他1件のコメントを表示
2019.12.23 22:30
1
ぷいぞう ぷいぞうさんに37ギフトントゥ

2019.12.24 12:55
1
ぷいぞう ぷいぞうさんに37ギフトントゥ

ぽかぽか温泉、実家から近いです‼️ 今度帰省した際に必ず行きます❗️ 室戸はちょっと遠いですが都合つけば合わせて訪問します!
ぷいぞう ぷいぞうさんに37ギフトントゥ

2021.12.23 23:24
1
ぷいぞう ぷいぞうさんに37ギフトントゥ