サウナとおじさん

サウナとおじさん

サウナイキタイアドベントカレンダー 2日目の記事です。

「サウナはおじさんのもの」

こんにちは、タゴです。東京出身でサウナに出会って5年、生まれて24年です。いつか必ずおじさんになる男です。

今回、言いたいことは「おじさん視点でサウナは魅力的なサードプレイスである」です。(おじさん批判もしないし、おじさん賛美もしません。)

以下の3つのトピック

①「サウナはおじさんのもの」と主張する論理
②おじさん視点で考える
③おじさんが求めていた価値はサードプレイス説

で話を進めていきます。

 

①「サウナはおじさんのもの」と主張する論理

さて、冒頭で突然「サウナはおじさんのもの」と書きました。この言葉はサウナに関連するステレオタイプで、よく言われることでもありますよね。たとえば、

「サウナはおじさんのもの」という考えは古い!女性や若い人にも親しめるようになるといい。

こんな主張を一度は見たことあるのではないでしょうか。この主張のロジックを考えてみました。

サウナはおじさんがいくところというイメージがある。

おじさんイメージがサウナから若者や女性を遠ざけている。

サウナはおじさんだけのものじゃないよーーと主張する。

若者や女性がサウナに来るきっかけになる。

発信者はこの主張によりサウナ文化を発展させて、新しいユーザーを増やしたいんでしょう。そのためには「おじさんのもの」というイメージを脱却するのが大切だと考えています。

実はぼくもこの考えに激しく共感していました。多くの人が入って、語って、サウナが進化して…となっていく未来にそりゃワクワクします。

そしてこんな思いから、ぼくはサウナ急進派を気取ってました。周りの友人にはサウナを布教し、サウナに入るためにフィンランドに行きました。フィンランドサウナの交通費は往復12万円でした。ノリで「サウナをおしゃれに!サウナを若者向けにカッコよく!」とか生意気言ってました。

しかし、ある日、銭湯でサウナを独自に楽しむおじさんを眺めていて思い至ります。

はるか昔から独自のやり方でサウナに通っていたおじさんがいる。その社会的傾向が言語化され「サウナはおじさんのもの」というステレオタイプが完成したのだ。最近になって、サウナブームに乗っかって入り方を本で知った新参者のぼくがサウナに来た。

サウナの情報が広く共有されるずっと前から、おじさんはサウナを利用しているんです。つまり、メディアに影響されずにおじさん自身でサウナの価値を見出し、利用していたのでしょう。

では、そんなおじさんはなんでサウナに行くんだろう…。ここでハッとしました。

「おじさんはどんな気持ちなの?」

「おじさんイメージはダサい、もっとオシャレに…」とか聞いて、おじさんはどう感じるんだろう。嫌なのかな、別にどうでもいいのかな。

そもそも「サウナはおじさんのもの」っておじさんが自分から言い出してなさそう。

ステレオタイプを煽って脱却すべきイメージとして扱うのって若者向けにユーザーを拡大したい人の視点だ。

完全におじさん視点が欠けていました。そもそも、なんでおじさんがサウナに入るのかをきちんと語っていない。おじさんの感じている価値を突き止めたら、サウナの本質的な魅力が浮かび上がるに違いないのにと思いました。

②おじさん視点で考える

ここまでの考え方を整理すると、

サウナはおじさんのもの

なぜ若者や女性は入らないのか?

ではなくて

サウナはおじさんのもの

なぜおじさんが入るのか?

と考えます。そうすれば自然と人間がサウナに入る理由も分かるはずです。

実は、サウナ以外でも、「○○はおじさんのもの」って言われることってたくさんありますよね。

そこで、若い女性が「○○をする」って言うと反射的に「おじさんじゃん」と言いがちなものを考えてみました。時代とともに変わっていますが、完全にステレオタイプです。

・ビール、焼酎
居酒屋なんかで飲んでるイメージでしょうか。

・焼き鳥、内臓系の濃い味のおつまみ
居酒屋ですね

・ゴルフ
おじさんがやるイメージですね。接待で使われるからでしょうか。

・一人で牛丼屋に食べに行く
オフィス街のランチタイムですね。

・おやじギャグ、下ネタ
会社などでの言動への不快感が共有されてできたイメージでしょう。

以上、おじさんイメージのついた行動や趣味趣向を5つ挙げてみました。

ではなぜ、おじさんはこれらの行動をしがちだと言われているのでしょう。

ここから導きだされるのは、おじさんイメージ=日本的サラリーマンの行動様式です。つまり、会社で働くサラリーマンがやりがちなことをおじさんっぽいと言っています。

ステレオタイプを作り上げるおじさんの行動の背景に、サラリーマンという生活が浮かびあがってきました。おじさん視点を想像すると、これらの趣味趣向や行動は、サラリーマンという就業スタイル(雇用制度、人付き合い、ライフスタイル)にとてもフィットしているのでしょう。

サウナもサラリーマン生活にフィットしたのかなというのが考えられそうです。

 

③おじさんが求めていた価値はサードプレイス説

ここまでで、おじさん視点を考えると、おじさんがサラリーマン生活にフィットするものを選択することが見えてきました。そして、それが集まって傾向となりおじさんイメージができていました。

では、サウナはおじさんの生活のどんなシーンで使われていたのでしょうか。ここからはまさに個人的な妄想です。おじさんの生活に勝手に思いを馳せます。

退社した。でも家に帰るのは早いな。家族を養うために仕事ばかりだから、家では肩身が狭く、居場所がない。ちょっと寄り道して帰ろう。そうだ、時間が稼げて、疲れもとれる、値段も手ごろだし、帰ってすぐ寝れるし、ビールも美味しく飲めるから銭湯に行こう。銭湯に入る。いろいろなお風呂があるな、それにサウナか。テレビも見れるし入ってみよう。意外と退屈せずに長居できるな。汗をかいてスッキリして気持ちいいな。健康になれる気がする。ビールが美味い!

 

こんな感じで、サラリーマンは仕事終わりに癒しと家に帰らない暇つぶしを兼ねて、銭湯に行き、そこでサウナに出会いフィットしたのかなと想像します。そしてサウナが生活の中に組み込まれていったのでしょうか。職場、家とは別のサードプレイスとしてサウナが機能していたかもしれません。

仮にサードプレイスとしてのサウナが、おじさんの求めた価値の本質だとすると、当然のように若者や女性が利用してもおかしくありません。とはいっても、若者や女性の中にとって日常の中では既にサードプレイスの役割をカフェなどが担っています。カフェのほうが彼らにとって現時点で妥当な選択肢なのでしょう。

若者や女性をユーザーとするには、サウナがそれぞれにフィットする居場所になると面白いですね。サードプレイスの代替サービスとして、カフェを挙げましたが、コーヒーとそれを嗜む空間の価値基準も歴史的に変遷しています。これから、サウナが多様化していくでしょう。サードプレイスとも違う切り口だって生まれるでしょう。そんな発展がとても楽しみだなとぼくは思います。

以上、おじさん視点の想像から、なんで「サウナはおじさんのもの」となったかについてでした。

読んでいただきありがとうございました。